遺伝子組換え植物の安全性評価

遺伝子組換え薬用植物の環境影響評価に関する研究

近年、多様な遺伝子組換え植物が作出されており、薬用植物においても、有用二次代謝産物の効率的生産を目指した遺伝子組換え技術の応用が期待されている。しかし、遺伝子組換え植物を実用化するためには、野外栽培時の環境影響評価が必須である。そこで、ベラドンナをモデル薬用植物とし、環境影響評価項目のうちアレロパシー(多感作用)、土壌微生物相の変化に着目し、形質転換体の環境影響評価手法を検討している。ベラドンナ(Atropa belladonna L.)に、野生型毛根病菌 (Agrobacterium rhizogenes)を感染させ、毛状根を経て形質転換体を作出した。アレロパシー検定には、農業環境技術研究所で開発されたサンドイッチ法(SW法)を用いた。その結果、形質転換体および非形質転換体の両者において、アレロパシー活性が見られ、両者におけるアレロパシー活性は同程度であった。現在、揮発性物質によるアレロパシー検定等、より詳細な実験を試みている。また、土壌微生物相への影響評価法については、寒天平板希釈法、PCR-DGGE法を用いて検討を行っている。

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